Googleアナリティクスの参照元の復習
Googleアナリティクスの参照元は、知ったつもりになって、
あまり使えていない方がとても多い機能の1つだ。
しっかり使いこなせるよう、まずはきっちり学んでおこう。
参照元とは?
参照元というのは、ユーザーが目的のサイトに訪問するきっかけとなったホームページのことだ。
例えば、芸能人のブログを見ていると化粧品のリンクが貼られていたとしよう、
その化粧品が気になって訪問した場合、芸能人のブログがきっかけとなったホームページであり、そのサイトが参照元となる。
他にも、GoogleやYahoo!などのような検索エンジンで検索して、
訪問した場合、その検索エンジンが参照元となる。
そんなことぐらい知ってるよ。
と、思った方、ではGoogleアナリティクスの参照元も同じだと思っているか?
Googleアナリティクスはちょっと違う!?
Googleアナリティクスの参照元は、一般的な意味における参照元とは、
ちょっと違ったデータの取り方をする。
1.訪問時に何らかの「参照元」が確認された場合
その訪問時の「参照元」をCookieに保存し、かつレポートでもその値を“参照元”として使う2.訪問時に「参照元なし」だった場合
前回訪問時にCookieに保存した「参照元」に関する情報をそのまま“参照元”として利用するhttp://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/10/04/13799
簡単に説明するため、
6月のデータを元に解析レポートを作成する際のことを考えてみる。
あるユーザーが5月に検索エンジン(Yahoo!Japan)を使ってブログAに訪問し、
その際、ブックマークしていたとしよう。
6月になって、ブックマークから再度、ブログAに訪問したとしたら、
通常考えると、その訪問の参照元は『ブックマーク』になる。
ブックマークからの訪問は、『Direct(参照元なし)』に含まれるはずだ。
しかし、Googleアナリティクスは、参照元なしの場合、
前回5月に訪問した際の検索エンジン(Yahoo!Japan)を参照元として利用する。
参照元のデータを見る際は、まずこの点を頭に入れておこう。
そのサイトはSocialかReferralか!?
さて、デフォルトのチャネルには、
『Organic Search』『Direct』『Referral』『Social』がある。
この分類は、基本的には参照元のサイトによって、Google側が自動で振り分けている。
そのため、これは明らかに検索エンジンなのに、Referralに入っていることもある。
例えば、面白い例としては、『Yahoo!知恵袋』と『教えて!goo』だ。
どちらも、Q&Aサイトというカテゴリで、私に言わせればReferralに入れておけば良いのになぜか分かれている。
『Yahoo!知恵袋』⇒Refeffal
『教えて!goo(Oshiete! goo)』⇒Social
このように、思っていたチャネルと違ったところにデータが入っていることもあるので、
解析する際は注意が必要だ。
Googleアナリティクス参照元のデータをどう役立てる
アクセス解析のデータは、3つの段階がある。
計測できて第一段階、
整理して見やすくして第二段階、
解析して根拠を持って提案できるようになって第三段階である。
しつこいようだが、世の中で『アクセス解析レポート』という名目で、
お金をとって行われているサービスの大半は、第二段階で止まっている。
皆さんは、そんな『解析もどき』に引っかからないようにしよう。
参照元データの使いかたは大きく2つだ。
1,コンバージョンへの貢献度を測る
2,サービス商品の本音を探る
それぞれ解説していく。
1.コンバージョンへの貢献度を測る
集客>すべてのトラフィック>ツリーマップ
メインの統計情報を『セッション』に、
サブの統計情報を『eコマースのコンバージョン率』にしよう。
面積の大きさは、メインの統計情報である『セッション』の数になる。
そして、
色は、サブの統計情報である『eコマースのコンバージョン率』になる。
濃いグリーンほどコンバージョン率が高く、濃いピンクになるほどコンバージョン率は低くなる。
この図を用いれば、Organic Search(オーガニック検索)からの流入は、数としてはとても多いが、
コンバージョン率は高くないことがわかる。
また、Referral(参照元)からの流入は数こそ少ないが、コンバージョン率は高いことがわかる。
ここまで分かれば、後は、Referralのサイトをチェックし、
可能であれば、Google Adwordsで手動プレースメントを利用し、
そこにピンポイントで広告を出稿することも1つの手段として考えられる。
2.サービス商品の本音を探る
次に、サービス商品の本音を探ってみよう。
まずは、Referralの中の『Yahoo!知恵袋(chiebukuro.yahoo.co.jp)』について、
何が書かれているかを調べてみよう。
m.chiebukuro.yahoo.co.jpをクリックしてみよう。
各参照URL横の右上を向いている矢印のボタンを押してみよう。
上記のように参照元のページを閲覧できる。
次に、Socialの中の『教えて!goo(Oshiete! goo)』について、
何が書かれているかを調べてみよう。
Oshiete! gooをクリックしてみよう。
ご覧のとおり、クリックできないためこれ以上わからない。
しかし、ここであきらめる必要はない。
セカンダリディメンション>参照URL
を選択しよう。
↓
プライマリディメンションに『Oshiete! goo』が、
参照URLに詳細なサイトのURLが出てきた。
この参照URLに出てきたURLをコピーしよう。
そして、別タブを開いて、教えて!gooのサイトを出してみよう。
このURL部分の後ろにURLを貼り付ける↓
貼り付けた後、Enterキーをポン!
教えて!gooの詳細記事へ飛ぶことができたはずだ。
後は、これらの記事を読んで一喜一憂する。
のではなく!
ここで書かれている内容を商品やサービスに反映させていく。
はっきり言えば、このようなQ&Aサイトで書かれている記事を読むのは
相当、勇気がいる。
しかし、このようなサイトで書かれている内容は、
ユーザーの本音がストレートに表現されているため、とても役に立つ。
『良薬は口に苦けれども、身体に利有り。
苦言は耳に痛けれども、行いに利有り。』
こういった1つ1つの地道な行動がユーザーを理解する機会となっていく。
今後の参照元の傾向
今後の参照元の傾向であるが、モバイルのシェアが高まっていくほど、
参照元のデータは取りにくくなる傾向にあるだろう。
例えば、以下の図を見て欲しい。
チャネルをdirectに設定し、
モバイル、デスクトップ、全てのセッションの比較を表したものだ。
Directの増加とモバイルが見事に相関している。
1つの仮説としては、モバイルからの流入の場合、
アプリからの流入が多いためと考えられる。
また、端末の種類やブラウザなどによっては
参照元データが正しく送られず、『direct』つまり、参照元なしとなってしまうことがあるのだ。
まとめ
アクセス解析データの取りやすさは、
Googleアナリティクスのバージョンが上がっていくごとに改善されている。
しかし、デバイスの進化が激しく、ユーザーの行動が変わりやすい今のような時期は、
アクセス解析をより詳細に厳密に行おうとするなら、プログラミングやシステム回りの知識が必要になってくるだろう。
なるほど!では、そのあたりの勉強も必要か!
と、なった方は、ちょっとまって欲しい。
そもそも論で考えるなら、
アクセス解析を行う理由は、次の行動の根拠を得るため、
次の行動の根拠が必要な理由は、マーケティングにはコスト(時間とお金)がかかるため、
マーケティングに時間とコストをかける理由は、成果(売上や利益)を上げるため。
すなわち、売上や利益を上げるという目的の中での優先度を考えて、
その中で、Webの位置付けを考えれば、その労力に見合うかどうかを検討することが先で、
必要ならデータを取るためのコストを考えよう
そうでないなら、スパッと割りきってその中で最善を尽くすことも重要な決断だ。
流行り廃りに踊らされず、本当に必要なものは何かを見分ける見識を持とう。
Googleアナリティクスをゼロから学びたい方はこちら↓
Googleアナリティクスの使い方 [実戦マニュアル]
“Googleアナリティクス 参照元を本当に使えているか!?” への1件のフィードバック