「私立大学滑り止め入学金」の賢い対策と知っておくべき入学前にかかる経費

私立大学滑り止め入学金の基本情報

大学受験において避けて通れない「滑り止め入学金」の問題。
結論から申し上げると、入学の権利を確保するためには必要不可欠な支出となります。しかし、ここで立ち止まって考えていただきたいのは、必要だからといって、複数の滑り止めの私立大学の入学金を闇雲に支払うのではなく、工夫次第で無駄な入学金の出費を抑える賢い選択の余地が十分にあるということです。

入学金と一言で言っても、その実態は意外と知られていないのが現状です。
また、大学受験には入学金以外にも入学前にかかる諸費用が20万円以上あることをご存知ですか?

大学合格の喜びを手にした後に存在する大学進学を控えた受験生とその保護者にとって最も頭を悩ませる入学金と隠れた諸費用の問題について、『もっと早く知りたかった!』とならないように、知っておくべき基本的な情報を詳しく解説していきます。

入学金と授業料などの学費との違い

大学にかかる費用は、大きく分けて「入学金」と「授業料」の2種類があります。入学金は文字通り「入学する権利」を得るための一時金で、入学時にのみ必要となる費用です。

一方、授業料は講義や実習など、実際の教育サービスを受けるための対価として毎年必要となります。
こちら、私立大学学部別の平均初年度学生納付金(授業料、入学料及び施設設備費の状況)をご覧ください。

区分 授業料 (円) 入学料 (円) 施設設備費 (円) 合計 (円) 増減率 (%)
文科系学部 827,135 223,867 143,838 1,194,841 0.5
理科系学部 1,162,738 234,756 132,956 1,530,451 ▲ 2.3
医歯系学部 2,863,713 1,077,425 880,566 4,821,704 ▲ 1.4
その他学部 977,635 251,164 231,743 1,460,542 0.1
全平均 959,205 240,806 165,271 1,365,281 0.6

最新の令和5年度(2023年度)の調査によると、私立大学の入学金は平均で24万806円、年間授業料は95万9205円となっています。
これに加えて、実験・実習費や施設設備費なども必要となるため、初年度の支払総額は147万円を超えるのが一般的です。

なお、ここ数年で入学金は減少していますが、逆に授業料が5万円以上も増えています。
下の表をご覧ください。
(参考)平均額の推移

年度 授業料 入学料 施設設備費 合計
金額 (円) 増減率 (%) 金額 (円) 増減率 (%) 金額 (円) 増減率 (%) 金額 (円) 増減率 (%)
R1年度 911,716 0.8 248,813 ▲ 0.5 180,194 ▲ 0.9 1,340,723 0.4
R2年度 927,705 1.8 247,052 ▲ 0.7 181,466 0.7 1,356,223 1.2
R3年度 930,943 0.3 245,951 ▲ 0.4 180,186 ▲ 0.7 1,357,080 0.1
R5年度 959,205 3.0 240,806 ▲ 2.1 165,271 ▲ 8.3 1,365,281 0.6

引用:令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について

私立大学の入学金と授業料等の一般的な金額と相場

より詳しく見ていきましょう。
私立大学の入学金は、学部や学科によって大きく異なります。
私立大学の入学金と授業料等の一般的な金額と相場
引用:令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について

文系学部では平均22万円程度ですが、実験設備などが必要な理系学部では25万円前後と若干高めになります。
特に医学部や歯学部では100万円を超えることも珍しくありません。

これは、高額な医療機器や実習設備の導入・維持費用が必要なためです。同じ大学でも学部によって10万円以上の差があることも珍しくないため、出願前に必ず確認が必要です。

また、入学金の金額は大学のブランド力とも相関関係にあり、難関私立大学ほど高額になる傾向があります。

入学金が必要な理由は最高裁判決で「大学に入学できるという地位を取得するための対価」と認められた

「なぜ入学金が必要なのか」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
入学金は、2006年の最高裁判決で「大学に入学できるという地位を取得するための対価」として法的に位置づけられました。

2 大学の入学試験の合格者が納付する入学金は,その額が不相当に高額であるなど他の性質を有するものと認められる特段の事情のない限り,合格者が当該大学に入学し得る地位を取得するための対価としての性質を有し,当該大学が合格者を学生として受け入れるための事務手続等に要する費用にも充てられることが予定されているものである。

この判決により、たとえ入学を辞退しても返金されないことが法的にも認められています。入学金の使途は、新入生を受け入れるための環境整備費用、入学手続きにかかる事務経費、そして大学の運営基盤を支える資金として活用されています。

また、教育施設の拡充や新しい教育プログラムの開発など、大学の将来的な発展のための投資資金としても重要な役割を果たしています。入学金は一見すると高額に感じますが、これらの必要経費を支える重要な財源となっているのです。

私立大学滑り止め入学金の支払いに関する尽きない悩み

受験生を持つ保護者の方々から、最も多く寄せられる相談が「滑り止め大学への入学金支払い」についてです。特に第一志望が国公立大学の場合、この問題は深刻になりがちです。なぜこのような状況が起こるのか、実態に迫ってみましょう。

なぜ滑り止め校にも入学金を支払う必要があるのか

この問題の根本的な原因は、国公立大学と私立大学の入試日程の違いにあります。
例えば、2024年度入試では、
国公立大学の前期日程試験は2月25日から始まり、合格発表は3月上旬
一方、
多くの私立大学は1月下旬から試験が始まり、合格発表は2月中旬

ここで重要なのが、私立大学の入学金納付期限です。
合格発表から通常1~2週間以内と設定されているため、国公立大学の合否が分かる前に、私立大学への入学金支払いを迫られることになります。

特に注意が必要なのは、入学金の支払期限を過ぎると、たとえ合格していても入学資格を失ってしまうという点です。つまり、第一志望の国公立大学に不合格となった場合の保険として、私立大学への入学権利を確保するためには、期限内に入学金を支払わざるを得ないのです。

実際の家庭の経験談

入学金支払いの実態と後悔 全国大学生活協同組合連合会が実施した「2024年度保護者に聞く新入生調査」によると、入学しなかった大学への支払額は、専攻や住居形態によって大きく異なり、平均で25~39万円にも上ることが分かっています。

入学までにかかった費用・国公立(専攻別/住まい別)

分類 入学した大学 入学しなかった大学
国公立 計 587,700 263,300
国公立(自宅生) 586,000 258,400
国公立(下宿生) 590,600 267,400
国公立 文科系 578,600 247,200
国公立 文科系(自宅生) 573,800 250,300
国公立 文科系(下宿生) 584,000 245,500
国公立 理工系 589,400 259,800
国公立 理工系(自宅生) 592,800 254,400
国公立 理工系(下宿生) 589,300 263,500
国公立 医歯薬系 615,300 363,500
国公立 医歯薬系(自宅生) 609,100 323,900
国公立 医歯薬系(下宿生) 622,000 389,000

引用:新入生の保護者25,857名から回答「2024度保護者に聞く新入生調査」概要報告(全国大学生活協同組合連合会)

ある家庭では、理系の学部を志望する息子のために、滑り止めとして受験した3つの私立大学に合計50万円近い入学金を支払いました。結果的に第一志望の国立大学に合格できましたが、支払った入学金は一切返還されませんでした。

このように、入学金の支払いは家計に大きな負担となります。特に、教育ローンを組んで受験に臨んでいる家庭にとっては、返金されない入学金の支払いは深刻な問題となっています。

平均的な滑り止め校数と総額の目安

現在の受験事情では、1人の受験生が4~5校を受験するのが一般的です。その際にかかる費用は、入学金だけでなく、受験料(1校あたり私立大学で3万5000円前後)、願書代、交通費、宿泊費なども考慮する必要があります。全国大学生活協同組合連合会の調査では、これらの費用を合計すると1人あたり平均15万円前後が必要とされています。

分類 出願費用
私立 計 144,900
私立(自宅生) 151,500
私立(下宿生) 136,400
私立 文科系 144,700
私立 文科系(自宅生) 149,800
私立 文科系(下宿生) 139,100
私立 理工系 145,600
私立 理工系(自宅生) 158,300
私立 理工系(下宿生) 127,700
私立 医歯薬系 143,000
私立 医歯薬系(自宅生) 140,700
私立 医歯薬系(下宿生) 156,700

引用:新入生の保護者25,857名から回答「2024度保護者に聞く新入生調査」概要報告(全国大学生活協同組合連合会)

さらに、遠方の大学を受験する場合は、交通費や宿泊費が大きく膨らむ可能性があります。
例えば、東京-大阪間の新幹線往復で3万円程度、
宿泊費が1泊8,000~10,000円かかることを考えると、
受験1回あたりの費用は5万円近くになることも珍しくありません。

これらの費用は、受験する大学の数だけ必要となるため、慎重な計画が求められます。

私立大学滑り止め入学金の支払いに関する重要な注意点

大学に合格した喜びもつかの間、入学手続きでの思わぬミスで入学資格を失うケースが毎年発生しています。ここでは、入学金の支払いに関する重要なポイントを、具体的な事例を交えながら解説していきます。

支払期限と手続きの流れ

入学金の支払いには、非常に厳格な期限が設けられています。多くの大学では合格発表から入学金の支払期限まで1~2週間程度しかありません。

例えば、2月15日に合格発表があった場合、支払期限は2月末までというケースが一般的です。
特に注意が必要なのは、支払期限を過ぎた場合の対応です。

たとえ1日の遅延であっても、原則として一切の猶予はなく、合格が取り消されてしまいます。
実際に、「支払期限を勘違いしていた」「振込手続きに手間取った」という理由で、入学資格を失ってしまう事例が後を絶ちません。

そのため、合格通知を受け取ったら、まず以下の点を確認することが重要です。
・入学金の正確な金額
・支払期限(締切時刻まで要確認)
・振込先口座情報
・必要な手続き書類の種類と提出期限
・支払方法(一括か分割か)

入学金の返金制度について

前述のとおり入学金の返金に関する制度は、2006年の最高裁判決により明確に定められています。
この判決では、「入学金は入学を許可する地位を取得するための対価である」と位置づけられ、入学を辞退した場合でも返金は不要とされました。

一方で、授業料や施設設備費などのその他の納付金については、別の扱いとなります。3月31日までに入学辞退を申し出た場合、これらの費用は返金されることが制度として確立されています。

ただし、推薦入試や専願入試での合格者は、この制度の対象外となる場合が多いので注意が必要です。

合格後の入学辞退時の対応方法

入学辞退を決めた場合の対応は、スピードと正確さが求められます。まず必要なのは、大学が定める正式な手続きに従って辞退届を提出することです。この際、以下のような書類が必要となるケースが一般的です。
・入学辞退届(大学指定の様式)
・辞退理由書
・振込先口座情報
・合格通知書(返還が必要な場合も)

特に重要なのは、授業料等の返金を受けるための期限です。多くの大学では3月31日が返金申請の締切となっていますが、実際の手続きには数日かかることもあります。そのため、第一志望校の合格発表を待ってから辞退手続きを始めると、期限に間に合わないリスクがあります。余裕を持って、遅くとも3月25日までには手続きを開始することをお勧めします。

また、一度提出した辞退届は取り消すことができないため、慎重な判断が必要です。特に、複数の大学に合格している場合は、最終的な進学先を十分に検討してから辞退手続きを行うようにしましょう。

私立大学滑り止め入学金の支払いを最小限に抑えるための対策

複数の大学に合格した場合の入学金支払いは、家計に大きな負担となります。しかし、近年の入試制度の多様化により、賢い支払い方法や回避策が登場しています。ここでは、入学金の支払いを最小限に抑えるための具体的な戦略をご紹介します。

国公立大学合格発表後に入学金支払いが可能な私立大学の活用

受験生に朗報となる新しい入試制度が、各私立大学で導入されています。
例えば、

法政大学「大学入学共通テスト利用入試C方式」

国公立大学の合格発表を待ってから入学手続きができる

沖縄国際大学

地元の国立大学である琉球大学の合格発表翌日まで入学金の支払期限を設定

このように受験生の負担軽減に配慮している大学もマレにあります。

このような制度を提供する大学は年々増加傾向にあり、特に地方の私立大学では、受験生確保の観点からこうした制度を積極的に導入しています。

ただし、対象となる学部や募集人数には制限があることが一般的です。出願前に必ず入試要項で確認し、万が一の場合の進学先として納得できる大学を選ぶことが重要です。

授業料の延納制度を利用する方法

多くの私立大学では、入学手続きを「一括方式」と「分割方式」から選択できます。一括方式では入学金と授業料をまとめて支払う必要がありますが、分割方式を選択すれば、まず入学金のみを納付し、授業料は後日支払うことができます。

例えば、ある私立大学では入学金が25万円、前期授業料が45万円の場合、一括だと70万円を一度に支払う必要がありますが、分割方式なら最初は25万円のみの支払いで済みます。第一志望校の合格発表を待つ間、45万円を手元に確保できる意味は大きいでしょう。

ただし、この制度を利用する場合は以下の点に注意が必要です。
・事前の申請が必要な大学が多い
・申請期限が合格発表直後に設定されていることがある
・延納できる期間は大学によって異なる
・延納手数料が発生する場合がある

出願時期の戦略的な調整方法

入学金の支払いを最小限に抑えるには、入試日程を戦略的に組み立てることが重要です。同じ大学でも入試方式によって合格発表時期が異なります。

例えば、東京理科大学の場合、
A方式(共通テスト利用)の合格発表が2月中旬なのに対し、
B方式(個別試験)は2月下旬となっています。

このような違いを活用することで、入学金の支払いを最適化できます。
具体的な戦略として
・第一志望校の合格発表により近い日程の入試を選ぶ
・複数の入試方式がある場合は、後期の日程を優先的に検討する
・共通テストの得点を複数の大学で利用し、個別試験の受験回数を減らす

ただし、あまりにリスクの高い日程調整は避けるべきです。最終的な進学先を確保することが最も重要であることを忘れずに、バランスの取れた受験計画を立てましょう。

2025年 国立大学の二次試験合格発表後に入学金を支払える私立大学がある

2025年の国立大学の合格発表は以下の日程に集中しています。

前期

3月6日(木)から3月10日(月)

中期・後期

3月20日(木)から3月23日(日)

参考:2025年度 国公立大学合格発表日一覧(駿台)

ということは、この日程以後に合格発表に入学金の支払期限がある私立大学なら、入学金を支払う必要がありません。
2025年の有名難関私立大学の入学金の納入期限の一例です。

大学名 学部 入試方式 入学金納入期限
関西大学 全学部 共通テスト利用(後期) 3月24日(月)
立命館大学 全学部 後期分割方式、「経営学部で学ぶ感性+共通テスト」方式、
共通テスト方式(後期型)
3月24日(月)
法政大学 全学部 C方式 3月24日(月)
明治大学 商学部・理工学部・総合数理学部 共通テスト利用(後期日程) 3月25日(火)

※必ずご自身で確認をお願いします!

私立大学滑り止め入学金を減らす!第一志望合格を目指すための具体策

入学金の問題を根本的に解決する最も確実な方法は、第一志望校に合格することです。ここでは、合格を勝ち取るための具体的な学習戦略と、賢い大学選びのポイントについて解説します。

基礎学力の確実な定着方法

第一志望校合格への道のりは、基礎学力の着実な積み重ねから始まります。特に重要なのが、過去問題集の効果的な活用方法です。単に問題を解くだけでなく、以下のような段階的なアプローチが求められます:

●時間を気にせず、じっくりと問題を理解する段階
解説を熟読し、出題者の意図を把握する
間違えた問題は必ず解き直し、なぜ間違えたのかを分析する
似た問題のパターンを見つけ、解法を整理する

●実戦的な演習を行う段階
本番と同じ時間配分で解く
見直しの時間も含めた時間配分を習得する
問題の難易度や配点を考慮した解答戦略を立てる

また、分からない問題に遭遇した際の対処も重要です。そのまま放置せず、先生や友人に質問する、参考書で類似問題を探すなど、積極的な問題解決を心がけましょう。

模擬試験の有効活用法

模擬試験は単なる実力診断ではなく、合格への重要なステップとして活用すべきです。効果的な模擬試験の活用法として:

●定期的な受験による学習効果
2~3か月に1回のペースで受験し、学習の進捗を確認
各回の成績推移をグラフ化し、弱点の変化を可視化
志望校の合格可能性を客観的に評価

●結果の徹底的な分析
科目別・単元別の正答率を分析
時間配分の適切さを検証
ケアレスミスの傾向を把握

●弱点克服への活用
苦手分野を特定し、集中的な学習計画を立案
問題の取捨選択や時間配分の戦略を見直し
メンタル面での課題を把握し、本番への対策を練る

志望校選びの重要ポイント

滑り止め校の選定は、単なる偏差値比較ではなく、総合的な判断が必要です。
以下の観点から慎重に検討しましょう。

●教育内容の充実度
カリキュラムの特徴と自分の学びたい分野との一致
研究設備や図書館などの学習環境
留学プログラムや資格取得支援の有無

●将来を見据えた評価
就職実績(特に希望する業界への就職率)
インターンシップなどのキャリア支援体制
卒業生の活躍状況

●実践的な検討事項
通学時間と交通費
学費の総額(入学金、授業料、その他諸経費)
奨学金制度の充実度

●キャンパスライフの質
サークル活動の活発さ
学生寮や福利厚生施設の充実度
周辺環境の利便性

これらの要素を総合的に評価し、「本当に通いたい」と思える大学を選ぶことで、入学金を支払う価値のある選択ができます。

まとめ:私立大学滑り止め入学金を含めた受験経費の賢い管理方法

大学受験の費用は、想像以上に大きな金額となります。ここまで見てきたように、入学金の問題は受験生とその家族にとって大きな課題となっています。ここでは、受験にかかる費用を総合的に管理し、効率的に準備するためのポイントをまとめます。

受験費用の全体像を把握する

まずは、必要となる費用を項目別に整理しましょう。

直接的な受験費用

•受験料(私立大学:1校あたり3万5000円前後)
•共通テスト検定料(3教科以上で18,000円)
•入学金(私立大学平均:24万円程度)
•授業料等の初年度納付金(私立大学平均:95万円程度)

付随的な費用。

•願書・要項代(1,000円前後/校)
•交通費(新幹線利用の場合、往復3万円程度)
•宿泊費(1泊8,000~10,000円)
•受験時の食費・雑費

これらの費用は、受験する大学の数や地域によって大きく変動します。
例えば、関東在住で関西の大学を受験する場合、1回の受験につき5万円程度の費用が必要となることも珍しくありません。

効率的な資金計画のために費用を抑えるための具体的な戦略

受験校の選定段階で

•地理的に近い大学を優先的に検討
•インターネット出願による願書代の節約
•学部内併願制度の活用による受験料の削減

入学金支払いの計画の最適化

•合格発表日程を考慮した出願計画の立案
•国公立大学合格発表後に手続き可能な入試制度の活用
•分割納付制度の利用による支払い時期の調整

交通・宿泊費の効率化

•地方会場での受験機会の活用
•早期予約による交通費・宿泊費の削減
•受験日程の集約による移動回数の最小化
•金券ショップで株主優待を購入(4割以上割引になることがある)

入学金を含む受験費用の資金準備のタイムライン

高校2年生の段階で

•志望校の学費・諸経費の調査
•奨学金制度の情報収集
•教育ローンの検討開始

高校3年生の夏まで

•受験校数の確定と必要金額の試算
•入学金支払いのシミュレーション
•資金調達方法の最終決定

貸付対象 貸付限度額 貸付の範囲
学習塾等受講料 20万円(上限) 対象となる学習塾等の費用
受験料(中学3年生又はこれに準じる方) 2万7400円(上限) 対象となる高等学校等の受験料
※1度で4回分の受験料まで貸付できます。
1回分の受験料の上限は2万3千円。
受験料(高校3年生又はこれに準じる方) 8万円(上限) 対象となる大学等の受験料

参考:受験生チャレンジ支援貸付事業(東京都福祉局)

このように計画的に準備を進めることで、突発的な支出にも余裕を持って対応できます。また、教育ローンや奨学金の利用を検討する場合は、申込み時期にも注意が必要です。

最後に強調したいのは、費用面だけで志望校を決めることは避けるべきだという点です。将来の可能性を広げるための投資として、長期的な視点で教育費を捉えることが重要です。必要な費用を把握し、適切に準備することで、受験生が本来の目標に向かって全力を尽くせる環境を整えましょう。

金村繁伸の写真

この記事を書いた人:金村繁伸(かねむらしげのぶ)

オンライン数学塾 SakuraMath 塾長★1歳半の息子の育児に奮闘中
大阪と奈良で15年以上にわたり1,000人以上の中学生、高校生に数学と英語を教え、トップ校、最難関国公立、私立高校への合格させた経験を持つ。これらの教育業界での経験を活かし、成績アップ、学校選択の記事、幼児教育についての執筆。読者の皆さんに役立つ情報を提供しています。
お問合せはこちら