英検準1級

英検準1級の取得を目指すべき理由

大学受験で評価される資格の一つとして、「英検準1級」は非常に注目されています。この記事では、英検準1級を取得することで得られるメリットや、大学受験を有利に進める方法について詳しく解説します。
高校2年生の皆さんで特にMARCH合格を目指すなら、英検準1級をどのように活用するかを理解し、効率的に準備を進めましょう。

英検準1級が大学受験で有利な理由

国立大学での評価と優遇制度

英検準1級は、国立大学の入試で「みなし満点」や「英語試験免除」として評価されることがあります。

みなし満点のケース

英語の試験を免除されるだけでなく、英語の得点が満点と認定される場合があります。この措置は特に英語力が試験全体の成績に大きく影響する大学で有効です。例えば、東京藝術大学では英語を満点としてみなしくれます。

得点加算のケース

千葉大学(国際教養学部、教育学部、園芸学部、薬学部、看護学部、文学部、理学部、工学部、法政経学部、情報データサイエンス学部)においては5点から40点加算されます。
広島大学でも6点から25点加算されますので非常に有利に試験を運べます。
その他、秋田大学、国際教養大学、大阪教育大学、長崎大学、鹿児島大学などで得点加算されています。
大学入試は1点、2点の差で合否が決まることはよくあります。
そのため、たった5点ではなく、5点もプラスされることはめちゃくちゃ有利になります。

最新情報(2025年版)

2025年度の入試では、英検準1級に対する優遇措置を拡大する国立大学が増加する見込みです。
文部科学省が英語外部検定試験の利用を推進している背景から、各大学が新たな優遇制度を導入する可能性があります。そのため、志望校の最新情報を定期的にチェックしましょう。

私立大学での評価と入試優遇

私立大学でも英検準1級の評価は高く、MARCHを含む有名大学で以下のような活用例があります。

得点加算のケース

英検準1級を取得することで入試スコアに一定の加点が与えられる制度はMARCH以上の大学でも多く取り入れられています。
この制度は、競争率の高い大学で特に重要であり、合否を左右する要因となることがあります。
例えば、明治大学では、経営学部、農学部、商学部、総合数理学部なら英検2級でも得点加算してくれます。
青山学院大学では、国際政治経済学部で得点加算を実施。
立教大学では、国際政治経済学部で10点の得点加算。
中央大学では、経済学部、総合政策学部、国際経営学部、国際情報学部で得点加算。
法政大学では、グローバル教養学部で得点加算。
なお、早稲田大学と上智大学も得点加算されますが、慶應義塾大学には加算制度はありません。

試験免除のケース

例えば、一次試験や特定科目の英語試験が不要になる場合があります。
これにより、受験科目の負担を減らすことができ、他の教科の学習に時間を割くことが可能です。
たとえば、関西医科大学の看護学部、摂南大学、大和大学、広島経済大学、鎮西学院、沖縄キリスト教学院大学などの一部の私立大学では、一定の基準を満たした英検スコアを提出することで、英語試験を免除できる制度があります。

こういった措置は特に英語以外の科目に苦手科目があり、その科目が受験科目になっているため勉強時間を増やしてエネルギーを注力したい受験生にとって魅力的です。

このように、私立大学における英検準1級の評価は、非常に高く、特にMARCHレベルの大学を目指す受験生にとって大きなアドバンテージとなります。
そのため、志望校の利用条件や制度を正確に把握し、戦略的に活用することが求められます。

なお、上記に加えて次の2つもあります。

出願条件となるケース

入試の得点加算やみなし満点などにはなりませんが、出願するには必須となるケースです。
この場合は、そもそも英検準一級を取得していないと、受験すらできないので注意が必要です。

判定優遇・合否参考

また、具体的にどの程度加算されるかは不明だが優遇するという仕組みもあります。
これはボーダーライン上に複数の受験生が並んだ場合に英検準1級を取得していると優遇される仕組みです。

英検準1級が評価される理由

英検準1級が評価される理由
英検準1級が大学受験で評価される背景には、以下のポイントがあります。

試験レベルの高さ

英検準1級は、大学生や社会人レベルの英語力が求められる試験です。特に、読解やリスニングでは高度な語彙力と文法知識が必要であり、ライティングでは複雑なテーマについての論理的な意見表現が問われます。これにより、英検準1級の取得は、受験生の英語能力が単なる学校教育の範囲を超えていることを証明します。また、シンプルに単語や文法が難しいだけでなく、国際問題や経済問題などビジネスで必要な知識も問われる試験となっているため、このような高いレベルの英語力は、優秀な学生が欲しい大学にとって非常に魅力的な要素となります。

実用性の高さ

英検準1級は、『社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる』という基準でリスニングやライティングといった実践的なスキルを重視した試験です。これにより、受験生がただ試験のための勉強をしているのではなく、実生活や将来のキャリアに直結する能力を持っていることを証明できます。大学側にとっても、実用的な英語力を持つ学生は、海外研修や国際交流プログラムなどで活躍する可能性が高いため、高く評価される傾向にあります。

さらに、英検準1級は、他の英語資格と比較しても総合的な英語能力を評価する試験である点が特筆すべき点です。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能がバランス良く試験内容に組み込まれているため、取得者は「総合力の高さ」をアピールできます。このことは、特に「英語力を幅広く評価したい」と考える大学入試において大きな武器となります。

他の英語の資格よりも英検は古くから認知されている

大学入試のあり方に関する検討会議
出典:大学入試のあり方に関する検討会議(第11回)R2.7.7

TOEFLやTEAP、IELTSと比較しても圧倒的に英検の利用者の数が多いことが分かります。
英検は「実用英語の普及・向上」を目的として1963年4月に財団法人 日本英語検定協会が設立され、同年8月、文部省後援のもとに第1回実用英語技能検定が実施されました。
2025年で62年もの歴史を誇る最長の英語の資格であり、それだけ信頼性が高いことが伺えます。

以上の理由から、英検準1級は大学受験において非常に高い評価を受けています。受験生にとって、この資格を取得することは、志望校へのアピールポイントを増やすだけでなく、英語力を体系的に強化する絶好の機会となるでしょう。

英検準1級を取得するメリット

大学受験以外でのメリット

英検準1級は、大学受験だけでなく、その後のキャリアや学業にも役立ちます。

就職活動で有利

多くの企業では、英検準1級を取得していることが高い評価につながります。特に、英語を業務で使用する企業や外資系企業では、英検準1級が応募資格の条件となっていることも少なくありません。この資格を持っていることで、履歴書におけるアピールポイントが増えるだけでなく、採用担当者に「即戦力」としての期待を持たせることができます。

留学での活用

英検準1級は、海外大学への出願時に英語能力を証明する公式な書類として使用可能です。TOEFLやIELTSに比べて取得の機会が多いことや、日本国内での知名度が高いことから、日本人留学生にとって非常に便利な資格と言えます。また、交換留学や短期留学のプログラムでは、英検準1級のスコアが基準となる場合も多いため、取得しておくと選択肢が広がります。

CEFRでのスコアは世界でも通じる

CEFR(セファール)とは、外国語の習熟度や運用能力を数値で評価する国際基準の指標のことであり、2001年に欧州評議会に公開された後、EU圏を中心に世界中で幅広く活用されています。

英語以外にも様々な外国語のレベルの区分として活用され、「その言語を使って何ができるか」を軸に外国語の4技能を「A1」「A2」「B1」「B2」「C1」「C2」の全6段階で評価します。

A1・A2レベル:基礎段階の言語使用者
B1・B2レベル:自立した言語使用者
C1・C2レベル:熟達した言語使用者

英検準1級合格者のスコアは1980から3000の範囲で区分され、CEFRではB1、B2、C1レベルに該当します。

英検とCEFR
出典:各種目的に応じて求められる英検®の品質についての考え方、ならびにその活用に関するガイドライン

自己肯定感の向上

英検準1級は難易度が高いため、合格すること自体が大きな達成感につながります。
英検準1級の難易度を測る基準の1つに、現役東大生が英検準1級を取得した時期を見てみると一番多いのが高校3年生です。
現役東大生が英検準1級を取得した時期

出典:現役東大生に聞いた!英検準一級はいつ取った?

だからこそ英検準一級を高校生のうちに合格できることは英語力に関しては東大に合格できる人レベルと考えて良いので、「自分には高い英語力がある」という自信を持つことができ、これがその後の学業やキャリアの挑戦にも良い影響を与えるでしょう。

将来のキャリアにつながる英語力

国際的な評価

英検準1級は、海外でもそのレベルが認知されている資格です。特に、TOEICやIELTSと並び、英語を評価する試験の一つとして高い信頼性を持っています。これにより、グローバル企業や国際的な職場で働く際の武器となります。
特に日本国内のナショナル企業では、リスニングとリーディングだけのTOEICと比べて、四技能(読む、聞く、書く、話す)を測る英検は非常に信頼があります。
特に英検準1級以上は別次元の難しさなのでビジネスでは重宝されます。

資格としての信頼性

通訳や翻訳といった専門職だけでなく、観光業、教育業界、さらには技術系の分野でも、英語力を必要とする場面は増加しています。この資格を持っていることで、選べるキャリアの幅が広がり、自分の可能性を最大限に活かせる職業に出会える確率が高まるでしょう。

このように、英検準1級は単なる大学受験のためのツールにとどまらず、その後の人生全般にわたって役立つ、非常に価値のある資格です。

英検準1級を大学受験に活用する方法

みなし満点や試験免除を最大限活かす戦略

大学受験で英検準1級を活用するには、以下の戦略を考えることが重要です。

志望校の要件を確認

各大学によって、英検準1級の評価基準や利用方法が異なります。
例えば、英語の「みなし満点」として利用できる場合や、特定の科目が試験免除となるケースがあるため、志望校の募集要項をしっかり確認することが重要です。また、志望する大学で英検が評価されるとしても、すべての学部で同じように評価されるとは限りません。
そのため、どの大学で英検が利用できるかだけでなく、どの学部で評価されるかまで調べましょう。

受験科目の負担軽減

英検準1級を活用することで、英語試験が不要になる場合、浮いた時間を他の科目の学習に充てることができます。これにより、総合的な学力を底上げし、受験全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。たとえば、英語以外に苦手科目がある場合、その克服に集中するための時間を確保できますので、試験免除を活用して、他の科目の学習に集中する計画を立てておきましょう。
この発想は特に大切です。
英語を徹底的に強化して、英語のみで受験できる大学を目指すのもありですが、やはり受験できる大学は少なくなります。
そのため、英語を徹底的に強化した後、他の苦手科目を克服すれば、将来の進路の幅は大きく広がります。

大学受験での英検利用の注意点

英検準1級を活用する際には、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

スコアの有効期限

英検自体には有効期限はありません。しかし、大学受験で英検を活用する場合には、通常2年間の有効期限があります。出願時に有効なスコアを持っていないと活用できないため、受験時期を逆算して計画的に取得を目指しましょう。

手続きの注意

大学ごとに求められる書類や提出手続きが異なるため、事前にしっかり調べておくことが必要です。これを怠ると、せっかく取得したスコアが無効になる可能性があります。大学によって提出書類や手続きが異なるため、ミスがないよう確認が必要です。

出願時期に間に合うように

あまりにも基本的なことですが、大学に出願後に英検準1級を取得しても意味がありません。
出願時期には『確定した合格認定証』が必要になります。
そのため理想は、高校2年生までに取得すること。
総合型選抜は例年、9月1日から出願が始まるので、総合選抜を検討しているなら、遅くとも8月末までには合格する必要があります。

そのため、個人受験を予定しているなら7月末までに合否の成績が届く1回目検定で合格しないといけません。

英検準1級と他の英語資格の違い

英検準1級は、TOEFLやIELTSと比較して以下のような特徴があります。

日本国内での認知度が高い

英検は、日本の大学入試において最も広く利用されている英語資格であり、多くの大学で公式に採用されています。そのため、日本国内で大学受験を目指す場合には、TOEFLやIELTSよりも使い勝手が良いケースが多いです。

総合力を評価

英検準1級は、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能すべてをバランス良く評価する試験です。一方、TOEICは主にリスニングとリーディングのスコアに特化しているため、総合力を証明したい場合には英検準1級のほうが適しています。

英検準1級を効率的に取得するための勉強法

英検準1級を効率的に取得するための勉強法

英検準1級の難易度と対策

英検準1級は難易度が高い試験ですが、高校2年生でも以下の方法で効率的に対策可能です。

単語力の強化

英検準1級では高度な語彙力が求められるため、頻出単語やイディオムを集中的に覚える必要があります。市販の単語帳や英検専用の語彙集を活用し、日々コツコツと積み上げていくことが成功の鍵です。また、単語を覚える際は、文脈の中で覚えることで記憶に残りやすくなります。。

過去問の活用

過去問は試験形式に慣れるための最良の教材です。特にリスニングやライティングは実践的な練習が必要なため、時間を計って解答練習を繰り返しましょう。過去問の分析を通じて、自分の弱点を把握し、重点的に補強することが重要です。
過去問は、実力がついてから解くのではなく、英検準1級を受験しようと決めたらまずは一度、解いてみましょう。
英検2級とのレベルの違いや、出題内容の特徴など分かることがたくさんあります。
そういった情報をふまえて勉強に取り組めば効率的な対策を行えます。

ライティングを徹底強化

英検でのライティングの配点はリーディングの配点の3~4倍あると言われています。
つまり、リーディングで4点とることと、ライティングの1点は同程度ということなので、ライティングが苦手だと英検準1級は不合格になる確率が跳ね上がります。
だからこそライティングは早めの対策を行いましょう。

大学受験を見据えた勉強スケジュール

早めのスタート

試験日までに十分な準備期間を確保することで、余裕を持って勉強を進めることができます。特に、学校の定期試験や模試などのスケジュールを考慮し、無理のない計画を立てましょう。

受験勉強との両立

英語科目の学習内容を英検準1級対策とリンクさせることで、効率的に勉強を進めることができます。例えば、文法や読解力の強化は受験英語と共通する部分が多いため、双方の勉強を並行して行うことで学習効果が高まります。
さらに、定期的に進捗状況を確認し、計画を見直す柔軟性も必要です。目標達成のためには、弱点を補うための追加学習や、得意分野をさらに伸ばす工夫を怠らないようにしましょう。
以上の方法を実践することで、高校2年生でも効率的に英検準1級を取得することが可能です。計画的に取り組み、確実に目標を達成しましょう。

毎週土曜に受験できる英検S-CBTなら当日に合否が出る

英検の受験は個人受験か学校や英会話スクールなどの団体受験が一般的です。
しかし、どうしても出願ギリギリまで勉強したい場合には、英検S-CBTも検討しましょう。
全国47都道府県にあるテストセンターで、コンピューターで受験する英検です。
原則、毎週土日に実施されており、英検(従来型)と同等の資格・スコアを取得できます。
現在、準1級・2級・準2級・3級のみ実施しています。
出典:英検S-CBT受験のご案内

英検準1級で大学受験を楽にするためのまとめと次のステップ

英検準1級を取得することは、大学受験の成功への道を切り開くだけでなく、その先のキャリアにも大きなメリットをもたらします。MARCH以上の合格を目指すあなたにとって、この資格は単なる「受験のための武器」ではなく、「未来を変える鍵」となるでしょう。

では、次に何をすべきでしょうか?まずは志望校の入試情報をしっかりと調べましょう。それぞれの大学が英検準1級をどのように評価しているかを把握することで、明確な目標が見えてきます。そして、自分に合った計画を立ててみてください。たとえば、「来年の春までに英検準1級に合格する」「学校の勉強と並行して英語力を伸ばす」といった具体的なステップを設定することが重要です。

さらに、効率的な勉強法を実践することで、無理なく目標に近づけます。過去問を使って試験形式に慣れる、単語力を徹底的に強化する、スピーキングやライティングの練習に取り組む。これらの方法を少しずつ積み重ねることで、合格への道が現実のものとなります。

「できるかどうか不安…」という気持ちがあるかもしれません。でも大丈夫です!多くの高校生が英検準1級を目指して努力を重ね、成功を掴んでいます。あなたもその一人になれるはずです。合格した時の喜び、そしてそれが大学受験や将来の可能性を広げてくれる感動を想像してみてください。それが、今の一歩を踏み出す原動力になるはずです。

「よし、やってみよう!」という気持ちで、まずは今日から行動を始めてみてください。成功への第一歩は、あなたの手の中にあります!

金村繁伸の写真

この記事を書いた人:金村繁伸(かねむらしげのぶ)

オンライン数学塾 SakuraMath 塾長
大阪と奈良で15年以上にわたり1,000人以上の中学生、高校生に数学と英語を教え、トップ校、最難関国公立、私立高校への合格させた経験を持つ。これらの教育業界での経験を活かし、成績アップのための記事を執筆。読者の皆さんに役立つ情報を提供しています。
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