税理士事務所でもLステップを使えば顧問先の獲得に使えるんですか?
もちろんですよ。
ただ、税理士事務所と言っても顧問先の獲得方法や事務所の規模、IT化のレベルによって上手く行くか失敗しやすいか大きく変わります。
また、なによりLステップの設定方法や使い方を間違うと、ひたすらお金の無駄になるだけです。
今回は税理士事務所がよく行う
【法人設立を格安で行い、顧問先を獲得するという定番の顧問先獲得方法】をベースに
Lステップを活用した税理士事務所のマーケティング戦略をご紹介します。
Lステップの導入で得られる成果とは?
Lステップとは、LINE公式アカウントのAPIツール(上位機能のマーケティングツール)のことであり、税理士事務所は、
1、既存顧客の管理
2、見込み顧客を教育して受注につなげる
3、既存顧客とのコミュニケーションの効率化
以上3点について、効果的なツールです。
本記事では、Lステップを導入することで得られる具体的な成果と、導入時の課題について詳しく解説していきます。
税理士事務所がLステップを活用する際の具体的な事例
Lステップを利用すると、顧客の年齢、性別、地域などの属性に基づき、パーソナライズされたメッセージを配信できます。まずは、次の2点の事例をご紹介します。
・フリーランスから法人成りされる方向けに設立支援サービスを案内する事例
・既存顧客に向けて税務調査対策の情報を発信する具体的な事例
法人設立サービスや顧問契約を維持するLステップ活用の事例
事例1: 会社設立準備セミナーのリマインド配信
法人成りされる予定の方向けの「会社設立準備セミナー」をLステップ(LINE公式アカウント)を通じて案内する方法です。
例えば、
セミナー開催日の1週間前
「初めての会社設立でも安心!プロが教える設立準備セミナー」といった興味を引くタイトルで配信
その後、開催日の3日前に
「お席が残りわずかです。お申し込みはこちら」と追撃配信し、申し込み率を高めます。
さらに当日の朝にはリマインドメッセージを送り、参加率を確保します。
これにより、顧客の関心を維持しつつ迷っている方を説得できます。
加えて、設立支援サービスへのスムーズな誘導が可能になり当日のドタキャン防止ができます。
これらの案内はLINE公式アカウント単体でもできないことはありません。
ただ、誰にメッセージを送るのか、送信するタイミング、すべて手動で設定する必要があります。
しかし、Lステップを利用すれば、あらかじめ誰に条件設定さえ行っていれば、自動でユーザーがセグメントされて、決まったタイミングでメッセージを送信できます。
事例2: ステップ配信による設立支援の価値訴求
LINE公式アカウントの友だち追加直後から3日間のステップ配信を行い、設立支援サービスの魅力を段階的に伝えます。
1日目:「会社設立の流れと当事務所の無料サポート」を説明&設立手続きが初めての方でも分かりやすい資料を提供
2日目:「設立後の税務顧問契約で得られる安心サポート」と題し、会計処理や税務調査への対応サポートの内容を具体的に紹介
3日目:「お客様の声」として、過去に支援を受けた顧客の成功事例を共有し、信頼感を高めます。
この流れは非常にシンプルな流れですが、ポイントは、会社設立の流れをイメージできるようにすることです。
税理士などの専門家にとっては会社設立はルーティン業務ですが、一般の方にとっては一生に1,2回の大イベントです。
そのため、一般の方の立場に立ってどういった情報を求めているかを考えて価値訴求を行います。
事例3: 設立に必要なチェックリストを法人成りの予定者に配布
Lステップ(LINE公式アカウント)を通じて「会社設立に必要な書類とステップ完全チェックリスト」を無料で提供します。
このリストには、登記書類の作成手順や印鑑登録の方法、商号や資本金、役員の任期など、設立に必要な具体的な情報だけでなく、設立後に必要となってくる情報を網羅します。
これを活用することで、顧客が手続きに不安を感じず、また一般の書籍やGoogleで検索しても出てこない情報を掲載することで、プロとしての信頼性を高めることができます。
その結果、次のステップとして当事務所のサービスを検討するようになります。
ここでのポイントは、【注意】は書くけど、【解決方法】は代表的な事例にとどめておくという点にあります。
全部書くと相談する点がなくなるため、あえて疑問は残すようにすることです。
既存顧客に向けて税務調査対策の情報を発信する具体的な事例
事例1: 税務調査チェックリストの配信
Lステップ(LINE公式アカウント)を通じて「税務調査前に確認すべき10のポイント」と題したチェックリストを提供します。
例えば、「経費精算の領収書が揃っているか」「従業員の給与台帳に不備がないか」「あやふやな経費を参入させていないか」など具体的な内容を分かりやすくまとめます。
そして、メッセージ内で「必要な準備が分からない方はお気軽にご相談ください。もちろん無料です。」と案内しつつ、タップするだけで個別相談の予約につなげて、日程調整まできるようなスケジュール設定まで行います。
ここでのポイントは、ゴールを来所に設定することです。
とにかく、事務所に来てもらうこと。
ここに繋げられれば、直接顔を合わせて営業をできるので成約に結びつきやすくなります。
事例2: セグメント配信による税務調査対策セミナー案内
既存顧客の中から、売上規模や事業年数に応じてセグメント分けを行い、税務調査に関するセミナー案内を配信します。
たとえば、開業2年目以上の顧客には「税務調査が入りやすい時期とその対策」をテーマとしたセミナーを提案。
セミナーの内容をLINE公式アカウントの機能であるリッチビデオメッセージで動画で配信することで、メッセージが到着すると、タップなどの行為がなくとも自動でセミナーが流れます。
すると、閲覧してもらえるチャンスが高まるため、興味を持った顧客に対して1タップでフルバージョンを提供する条件設定を行います。
この方法により、税務調査対策の重要性が伝わりやすく、またタップした人をスコアリングすることで、より関心度が高い人に絞って、追加サービスを案内することができます。
こ子でのポイントは、メッセージ配信時にだけセグメントを行うのではなく、送ったメッセージに対する反応に応じたスコアリングとセグメント配信までおこなうことにあります。
これによって、関心の高いと思われる層に適切にアプローチを行うことができます。
事例3: セグメント配信による税務調査の必要書類準備の促進
毎年、決算書を作成し、確定申告を行っている税理士からすると、定期的な税務調査が予想される顧客はある程度わかります。そのタイミングで、税務調査が予想される顧客に対してメッセージを送信します。
例えば「そろそろ税務調査が来てもおかしくない時期にさしかかっております。必要書類はキチンと整理されているか確認しておきましょう」というメッセージを送ります。
その際、必要書類のリストや当事務所が提供する事前チェックサービスの案内を添えます。
また、実際に税務調査が来る前には郵送での何らかの連絡が来ることがありますので、そういった郵送物が届いている場合はすぐに連絡できるような仕組みをカルーセルメッセージなどで設定しておきましょう。
さらに、不安を持っている顧客が希望する場合は、LINE上で簡単に個別相談を予約できる仕組みを提供し、よりスムーズな対応を実現することで顧客の満足度は上がります。
こういった具体的な施策を実施することで、新規顧客へのアプローチと既存顧客のフォローを効果的に行い、顧問の獲得の促進や顧問契約の維持率の向上につながります。
友だち追加時のステップ配信で段階的な関係構築するメッセージの例
新規顧客が登録した際には、数日間にわたって段階的にメッセージを送信することをおすすめしています。
その理由は、一番ホットなタイミングである友だち追加時にLINE公式アカウントのメリットを伝えるためです。
そのホットな気持ちを冷ますことなく、温め続けることができれば、今後のメッセージも開封されやすくなりますので、ぜひこのステップ配信はよく考えて作成しましょう。
今回は、会社設立予定の方が友だち追加されたという設定でメッセージ例をご紹介します。
1日目:登録のお礼メッセージとメリット強調
こんにちは!
弊社のLINE公式アカウントの友だち追加いただき、ありがとうございます。
私たちは、会社設立や税務のサポートを通じて、会社設立予定の●●さんが税務の心配を払拭して、安心して事業に集中できる環境を提供しています。
今回、ご登録特典として、「会社設立の完全チェックリスト」をプレゼント中です!
このリストは、設立手続きがスムーズに進むように役立つ情報をまとめています。
ぜひ、こちらからダウンロードして熟読なさってください。
なにかご不明な点などございましたら、LINEからご質問ください♪
明日からは2日間、●●さんの事業の成長に役立つ税務顧問サービスの概要やメリットをご案内しますので、ぜひ楽しみにお待ちください!
2日目:税務顧問サービスの概要説明
こんにちは!
今日は、●●さんが事業に全集中できるようになるための「税務顧問サービス」についてご紹介します。
当事務所の税務顧問サービスでは、以下のような内容で●●さんをサポートしています。
・日々の帳簿記録や会計処理のアドバイス
・確定申告や法人税申告の代行
・税務署対応や税務調査への万全のサポート
特に新規の法人成りの方にとっては、フリーランスの時と異なる税務処理が非常に大きな負担となります。
そういった負担を軽減することで、心配事が減り、安心して事業に専念できるようになるのが大きな魅力です。
確定申告は、所定の期日までに申告すれば良いと安易に考えていると、決算書の作成が間に合わず申告が遅れて延滞税を課されることもあります。
そういったことにならないよう決算書の作成期日などもリマインダーとしてご連絡差し上げるサービスも行っております。
さらに詳細を知りたい方は、こちらのメニューからお問い合わせください。
3日目:具体的な導入事例の紹介
こんにちは!
本日は、当事務所の税務顧問サービスを実際に利用されたお客様の成功事例をご紹介します。
事例1: 飲食業A社様
法人成りの資金繰りが不安だったA社様。
会社設立時に、国民政策金融公庫から融資を引き出すことに成功することで、潤沢な予算を確保できました。
加えて私たちの税務顧問サービスを活用し、経費削減と必要な売上高を具体的に算出できたことで、初年度から経費管理と利益改善に成功しました。
結果として、現在は2店舗目の店舗を押さえ、さらに業務拡大を計画中です!
事例2: ITベンチャーB社様
会社設立直後から税務や会計に関する知識が不足していたB社様。
確定申告前にあわてて決算書を作成するということを繰り返していたため、適切な節税対策ができず、会社に資金が残りにくい体質でした。
その点を当事務所の継続サポートにより、月次決算を作成し、税金の予測を行い、適切な節税対策を実行しました。
また、社員教育のため提携社労士に依頼し、助成金申請も効率的に行い出費を減らしつつ、事業拡大が実現しました。
こういったメッセージを配信することで顧問契約後のイメージがクリアになり顧客の関心を継続的に引きつけ、契約率の向上が期待できるようになります。
リマインド配信で税務イベントやセミナーへの適切な対応を誘導
あらかじめ条件設定を行っておくことで顧客別に重要な期限やイベントをリマインドすることでき、必要な行動喚起を促せます。
そういった場合の具体的なリマインドメッセージ例をご紹介します。
リマインド配信事例1:確定申告期限前に必要書類準備の通知
●●さんこんにちは!
確定申告の期限が近づいてきましたが、準備は進んでいますか?
必要書類の準備が不十分だと申告が遅れ、延滞税や罰金が発生するリスクがあります。
そこで、確定申告の準備に役立つ「必要書類チェックリスト」「確定申告までのタイムスケジュール」を無料で提供します!
例えば、昨年の領収書、通帳のコピー、給与明細、締め日の確認などを揃えるだけで、申告作業が大幅にスムーズになります。当事務所では、●●さんの方で作成された書類を必ずチェックしてから確定申告をおこなっておりますので、不安がある方でも、ご安心ください!
ストレスの無いスムーズな申告のためには事前に計画をたてておきましょう。
ここでのポイントは、友だち追加時に、アンケートで決算時の情報を把握しておくことです。
そのうえで、送信するチェックリスト等の書類をあらかじめ作成しておけば、後は何もしなくても自動でリマインドメッセージと書類が送信されます。
リマインド配信事例2:税務セミナー開催の前日リマインド
●●さんこんにちは!
明日はいよいよ「税務調査対策セミナー」の開催日です。
すでに多くの方からご参加の申し込みをいただいており、座席も残りわずかとなっています!
セミナーでは、税務調査がどのように進むのか、事前にどのような準備をすればよいのかを具体的に解説します。
例えば、領収書の整理方法や税務署員との対応例など、実践的な情報が満載です。
明日のセミナーに参加することで、税務調査の不安を解消し、自信を持って対応できるようになります。
時間は14:00からです。お忘れなく!
ここでのポイントは、すでに税務セミナーに申し込まれた方以外に限定して配信する仕組みをせっていしておくことです。すでに申し込んでいる方にこのメールを送ってしまうと、「申し込んだはずなのにちゃんと把握できていないかも」と不安にさせてしまいますので注意してください。
このようにタイムリーな情報発信することで、
「そんな情報、セミナーがあるなら知りたかった」という見落としでの不満を下げることができ、顧客満足度を向上させられます。
Lステップを活用した顧客管理の効率化事例
Lステップを活用すれば、LINE公式アカウント単体ではできない顧客データをLINE上で一元管理することができます。
友だち情報を正確に管理することで、ある特定のサービスの見込み顧客となりそうな人を迅速に検索できたり、興味関心の度合いに応じたコミュニケーションを行うことで的はずれなメッセージを止めることができるので、より円滑で効率的なメッセージが可能になります。
Lステップを活用した顧客データの一元管理の具体例
Lステップの【タグ】【友だち情報】を活用することで、顧客情報を効率的に一元管理し、コミュニケーションやマーケティング活動を大幅に改善できる事例をご紹介します。
まず、LINE公式アカウントの友だち追加時に以下の情報を収集します。
本名、性別、地域、業種、会社設立の有無など。
取得方法は、回答フォームを使う方法が多いですが、カルーセルメッセージで一問一答にて行う方法もあります。
そして、これらの情報はLステップ内で【タグ】か【友だち情報】で取得する設定を行っておけば、情報取得時に、自動的に整理・保存され、各顧客ごとにカスタマイズされたプロファイルとして管理されます。
さらに、顧客がメッセージ内のリンクやリッチメニューをタップした場合に、そういった行動も記録できます。
その際、友だち情報を使えば、タップした回数に応じて、点数をつけるスコアリング機能も設定することができるため、興味関心の深さに応じたメッセージ配信を行えます。
例えば、確定申告関連のリンクを頻繁にクリックする顧客に対して、申告サポートプランを提案するリマインド配信を自動化できます。
また、特定の条件でセグメント分けが可能です。
例えば、「法人設立1年以内の顧客」を抽出し、税務調査対策のセミナー案内を送ることで、必要な情報をタイムリーに提供します。
このように、Lステップを活用することで、顧客対応の質を向上させるだけでなく、効率的なデータ活用が可能となります。
Lステップの導入の9大メリット
ここまでで、Lステップを導入すると9つの大きなメリットがありますので、まとめてみましょう。
業務効率の向上
Lステップを活用することで、煩雑とした顧問先との連絡のやり取りという税理士の日々の業務を効率化できます。
例えば、顧客への月次報告を自動化することで、担当者が手動でメールや電話連絡を行う負担を軽減。
LINEメッセージを使って「今月の決算報告書が完成しました。ダウンロードはこちら」とリンクを送る仕組みを設定すれば、顧客が簡単にレポートを確認可能です。
また、顧客の問い合わせをカテゴリー別に分けて回答をテンプレート化し、迅速な対応を可能にします。これにより、他の重要業務に集中する時間が確保できます。
手作業の削減による効率化
顧客情報の更新もLステップの回答フォームを利用すれば自動化できます。
例えば、確定申告期間中に必要書類の提出状況を確認するプロセスを自動化し、未提出の顧客にはリマインドメッセージを送る仕組みを構築。
顧客はLINE上で「書類を提出しました」ボタンをクリックするだけで完了するため、電話やメールでの確認作業が不要になります。
また、資料を郵送する場合の宛先情報もLステップで一元管理できるため、手作業でのミスが大幅に減少し、事務処理がスムーズになります。
自動化機能でスタッフの負担軽減
Lステップのステップ配信機能を使うことで、見込み顧客と既存顧客に分けて会計サービスや税務イベントを案内するスタッフの負担を軽減できます。
例えば、新規顧客がLINEに登録した際、自動的に「税務顧問サービスの詳細」や「顧客が準備すべき書類リスト」などを3日間に分けて配信する仕組みを設定。これにより、スタッフが個別に案内する時間を省けます。また、顧客からのよくある質問に対しては、事前に用意したFAQメッセージを自動返信で対応することで、スタッフが手動で回答する必要がなくなり、時間と労力を節約できます。
とにかく税理士事務所は顧問先の決算時期ごとにイベントがバラバラのため、連絡が非常に手間がかかります。
しかし、連絡を忘れたり、レスポンスが遅いと顧客満足度を下げてしまい、顧問契約が解除になるリスクがあります。
そのため、決算時期ごとにことなりつつも、定型連絡であるなら、Lステップを活用するとスタッフの手間を大きく省くことができます。
高い到達率と反応率
先に書いた通り、税理士事務所は顧問先への情報伝達、連絡が非常に数多く発生します。
しかし、Lステップでは、ステップ配信やリマインド配信、自動応答など自動送信機能が豊富にあるため、効率的に情報伝達が可能です。
例えば、確定申告の締切直前に「申告期限が迫っています!必要書類の提出はお済みですか?」というメッセージを送信すれば、多くの顧客に迅速に情報が届けられます。
その際、【読了】というボタンを設置しておけば、ボタンを押した人は【既読】、押していない人は【未読】と自動で分類できますので、既読・未読の確認が可能となり、未読の顧客に再度リマインドを送ることで反応率をさらに向上できます。
これにより、申告遅延のリスクを軽減し、顧客満足度の向上に繋がります。
LINEメッセージの開封率はメールより高い
LINE公式アカウントのリッチビデオメッセージや、カルーセルメッセージ、画像メッセージなどを駆使すれば、高い開封率を活かした情報発信が可能です。
例えば、税務セミナー開催のお知らせをLINEで配信した場合、メールに比べて最10倍以上も開封される確率が上がった事例もあります。
メッセージが届いた際に通知欄に表示させる文言
一覧で表示される文言
こういった点を考慮して、
配信文を「5分で分かる税務調査対策セミナー」といったキャッチーなタイトルにすれば関心のある経営者は開いてくれやすくなります。
さらに「LINEで参加申し込みが簡単に完了します」と誘導しつつ、申込みリンクも設置すれば、申し込み率も向上します。
特に、LINEは手元のスマホに直で届くだけでなく、到着の通知も鳴るので、重要な案内を見逃されにくいのがLINEの大きな利点です。
重要な情報を必要としている顧客に正確に届けられる
Lステップでメッセージを送信する際、友だちをタグや友だち情報で適切にカテゴライズする設定を行っていれば、重要な税務情報を、必要としている友だちに正確に顧客に届けられます。
例えば、法改正による特定の業種の税率変更が発生した際、あらかじめ業種の情報を取得していれば、その顧問先にのみ「新しい税率に基づく計算が必要です」とLINEでメッセージを送れます。
加えて、確認用のリンクや動画を挿入することで、理解を深める補助も行いつつ、特に、リンクのタップなどリアクションがリアルタイムで把握できるため、情報が確実に顧客に伝わっているかを確認しながら次の施策を講じることが可能です。
紙ベースの案内コストを削減
税理士事務所がLステップを導入するメリットで大きいのが、紙ベースの案内や郵送費用を大幅に削減できる点です。。例えば、税務申告に関するお知らせや資料の配布を、紙ベースからLINEに切り替えることで、印刷や郵送にかかるコストが不要になります。
また、見落とし防止のためLINEのリマインドメッセージを利用することで、顧客へのフォローを効率化し、電話や訪問の頻度を減らすことが可能です。
LINE通話まで活用すれば、顧問先の通話料も削減できるので喜ばれます。
これにより、固定費を抑えつつ、顧問先とのコミュニケーションをストレスなくスムーズに保つことができます。
手動作業の省力化により、人件費を削減
Lステップは、メッセージングツールではなく、MA(マーケティングオートメーションツール)という認識を持ってください。
Lステップにはさまざまな自動化機能があります。
それらを活用すると、手動でのメッセージ作業を削減し、人件費を抑えられます。
例えば、毎月の請求書送付をLINE経由で送信を自動化する仕組みを導入すれば、スタッフが一件一件メールや郵送対応をする必要がなくなります。また、顧客情報の更新やフォローアップも自動化することで、事務スタッフの作業負担を軽減。これにより、人員削減が可能となり、人件費の削減効果が期待できます。
長期的に見て投資対効果が高い
Lステップを導入する際は3つのコストが発生します。
1、Lステップ構築コスト
2、月額費用
3、定期的なメンテナンスコスト
ちなみに月額費用は最低でも5,000円からですので格安のツールとはいい難いのが現実です。
しかし、本格的にダイレクトマーケティングを実践し、営業対応を効率化することで売上を上げたいなら、長期的に見ると投資対効果が非常に高いツールです。
例えば、新規顧客獲得キャンペーンをWeb広告で実施し、
そこからLINEへ誘導することで自動配信やアンケート機能を利用します。
すると、その後のフォローや後追いメッセージをより自動で効率的に行えるので契約数を増やしやすくなります。
これにより、従来の広告費用や営業コストを削減しながら高い成果を得られます。
また、既存の顧問先が契約を解除する理由として大きいのが、税理士とのコミュニケーション不足です。
毎月払っているお金に意味が見いだせないと考えると顧問契約を解除されやすくなります。
しかし、定期的に役立つ情報を配信しつつ、質問を受けるというコミュニケーションを続けることで、顧問契約を維持しやすくなり、安定した収益基盤を築くことが可能です。
税理士事務所がLステップを導入する際の基準
上でも書きましたが、Lステップの導入には構築費用と月額利用料が必要です。
小規模事務所には負担になる場合があります。
そこで、具体的に税理士事務所がLステップ導入を検討すべき具体的な基準を、事務所のスタッフ数や売上規模、業務量を基に判断基準をご紹介します。
一般的に、以下の条件を満たす事務所であれば、導入を検討する価値があります。
スタッフ数は5名以上
Lステップは、顧客管理や業務効率化、営業自動化の3点に特化しています。
その点を勘案しますと税理士1名+スタッフ数1名でも導入するメリットは大きいのですが、なるべくスタッフ数が5~10名以上の事務所になると、その効果はとくに大きく感じます。
この規模であれば、顧問先への税務、会計、経営情報の共有や確定申告、税務調査対応などさまざまなルーティンワークが膨大になってきます。
そのため、目に見えてスタッフの作業時間が増えてきます。
それをLステップで効率化することによって、スタッフ全体の業務負担を大幅に軽減できます。
結果として、採用難の現在でもスタッフを増員せずに業務の維持・拡大が可能になります。
売上規模は2,000万円以上
年間売上が2,000万円以上でLステップの導入を検討する税理士事務所は増えてきます。
こちらも1,000万円程度の売上でもLステップを導入している事務所も多いのですが、Lステップは月額費用以外にも最初に構築費用がかかります。
その費用は50~100万近くかかることがよくあります。
そのため、売上規模が1,000万円台だと少々負担になってきます。
また、売上が小さい段階でLステップを導入すると、期待値が大きすぎて、早く成果をださないといけない!と焦る傾向があります。
しかし、Lステップは、これから会社を設立する予定の方や顧問先と時間をかけて信頼関係を構築することを売りとするツールです。
そのため、すぐに目に見える成果につながるかというとそうでもないケースもあるので、その点を踏まえて導入を検討しましょう。
顧問数が30社以上、新規の会社設立の相談が月5件以上
顧問先が30社以上、新規の会社設立の相談が毎月5件以上になると連絡の抜け漏れが多発します。
既存の顧問先は契約維持のために定期的なフォローが必要ですし、新規の会社設立相談では受注につなげるための教育が必要です。
しかし、それぞれ定期的な申告業務やキャンペーン案内など定型のフォーマット化された情報をおくるだけで事足りることが多いため、こういう場合にLステップの自動化機能が大いに役立ちます。
その空いた時間を決算書のチェック業務など申告のミスを回避する重要業務に回せます。
これらの3点の基準を満たす事務所であれば、初期投資と月額コストを負担しても十分に元が取れる可能性が高く、Lステップの導入が事務所の成長に寄与するでしょう。
絶対に外せないLステップ導入の5大リスク
Lステップをホームページと同じように考えている方もいますが、ぜんぜん別物です。
むしろ新たなシステムを導入するぐらいの気持ちで考えておきましょう。
そのため、初期の導入の際にはセグメント設定やステップ配信には専門知識が必要であり、構築の際に不適切な設定で期待した効果が得られないリスクがあります。
税理士事務所がLステップを導入する際、不適切な設定・構築を行うと、期待した効果が得られないどころか、ブランド損失につながり、ひいては顧客満足度の低下につながるリスクがあります。
そういったリスクを5つご紹介します。
1. 顧問先のセグメント設定によるメッセージ配信ミス
税理士事務所の場合、友だちのセグメントが多岐にわたります。
・すでに顧問となっている会社で黒字の会社
・すでに顧問となっている会社で赤字の会社
・会社設立業務を完了した直後の会社
・会社設立を継続中の顧客
・会社設立の相談を請けている見込み顧客
・フリーランス(個人事業主)の顧問先
これらの区分を適切に設定しておかないと、法人顧客に個人向けの確定申告案内を送ってしまったり、会社設立が完了しているのに、会社設立の必要性を説明するメッセージを送ってしまう場合があります。
このような配信ミスは、顧客に「自分の状況を理解していない」と思われ、信頼を損なう可能性があります。
2. ステップ配信のタイミングや内容の不適切さ
新規顧客向けに設定したステップ配信でやってしまいがちはミスは、配信1日目から税務内容や契約プランなどの営業メッセージを送ってしまうことです。
営業メッセージは、見込み顧客(友だち)との信頼関係がガッチリできてから送らないとただのスパムになってしまいます。
想像していただくとわかりますが、お店のLINE公式アカウントに登録した日から新商品やサービスの案内が次々と届いたら、イヤだなと思いませんか?
自分の身におきかえて考えると分かるはずなのに、なぜか会社としてLINE公式アカウントを始める際には同様のことをやっている会社が託さなります。
ステップ配信の1日目の目的は、【今後の配信に期待させること】です。
そのため、特に1日目は営業メッセージは絶対に送ってはいけません。
すくなくとも友だち追加されて1ヶ月以上は、友だちにとって役立つ内容を送るようにしましょう。
たとえ、節税の方法、補助金の情報、融資の情報、売上を伸ばしている会社の特長などネタをしっかり考えておきましょう。
さもないと見込み顧客(友だち)が途中で興味を失い、ブロックされるリスクが跳ね上がります。
3. 誤った自動応答の設定でブランド損失
Lステップでは、自動応答をうまく活用すると、占いやおすすめサービス診断など遊び心のあるメニューやFAQの自動返信などが設定できます。
しかし、自動応答で誤った設定をしてしまうと、質問に回答するとおすすめサービスが表示されるはずが、質問が延々と続いて終わらないというありえない事になってしまっている、そんなアカウントをよく見ます。
税理士事務所の場合、おすすめの補助金や助成金を診断するメニューで設定をミスすると、「こんな補助金がもらえるんだ!」と期待したのに、それを裏切ることになり、最悪の場合クレームに繋がることにもなりかねません。
そのため、自動応答を使用する際は必ず設定後に複数名で確認を行うようにしましょう。
4. 配信数を増やしすぎて友だちのブロック率悪化
適切な配信頻度は、何回でしょう?
これは業種や配信するメッセージの内容によって大きく異なります。
例えば、飲食店やスーパー銭湯などが割引クーポンを配信してくれるなら週1回以上配信しても嫌がられることは少ないです。
しかし、税理士事務所などの専門家が、サービスの案内を週1回以上配信するとブロック率が高くなります。
つまり、友だちが求めている情報をじゃまにならない頻度で送ることが大切です。
その目安が
1、月に2~4回
2、お役立ち情報:営業情報=9:1
この割合がブロック率を上げずに友だち満足度を上げるポイントです。
税理士事務所のような専門性の高いサービスでは、
経営者がどんな情報を欲しがるかという点をまずは、100個以上検討し、厳選した情報を慎重に厳選し、配信するようにしましょう。
5. Lステップは一度解約すると再契約できない
あまり知られていないけど、とても大切なことは、
【Lステップは一度解約すると再契約できない】です。
ちなみに、プランのダウングレードもできません。
だから、契約する際は本当に必要なのかどうか、
プランは税理士事務所として顧問先獲得に必須かどうかという点を真剣に検討する必要があります。