Googleアナリティクス 検索ワードは全てを物語る

ユーザーの思い

検索ワード(キーワード)とは

検索ワードとは、色々な意味を含んでいるが、一言で言えば、
『ユーザーが自分のほしい情報を探すために使ったキーワード』
である。

ウェブサイトの制作やアクセス解析を仕事として行っている者なら、
検索ワードの調査は欠かせないだろう。

しかし、残念ながら、アクセス解析を行っている会社の大半が出しているレポートは、
Googleアナリティクスで得られたデータを、単にエクスポートして見やすくまとめただけの、『アクセス整理レポート』になっている。

そういったレポートで何か改善できるかといえば、なにもできない。
しかし、何もしらない一般の株式会社や個人、特にウェブに疎い製造業の方々は、
そんなものかと思って、毎月役に立たないレポートに何十万円も支払っているのをいやというほど見てきた。

そんな偽のアクセス整理レポートにお金を払うぐらいなら、
ユーザーをよく知る自社で分析されたほうが絶対により良い解析ができるはずだ。

データの見方をしっかり学んで役立てよう。

オーガニック検索キーワード

集客>すべてのトラフィック>チャネル

オーガニック検索の割合

オーガニック検索キーワード

ここの画面で見られるキーワードのレポートは、
ウェブサイトに来訪したユーザーが入力したいわゆる広告ではない、
検索エンジンの検索キーワードだ。

通常、広告のキーワードやSearch Console(旧:ウェブマスターツール)の検索クエリと区別するため、
オーガニック検索キーワードと呼ぶ。

そして、セカンダリディメンションを使えばキーワードごとに
どのページに入っているのかも分かる。
セカンダリディメンション

よく見るとわかるが、
検索キーワードは同じにも関わらず、ランディングページは同じではないという点だ。

ある特定のページに偏っているのは事実だが、
広く様々なページから入ってきているのが分かる。

であるとすると、対策を講じる際は、
意図は同じだが全く別々のページに訪問されている状況を前提に、
ページを作成しないといけないのだ。

また、オーガニック検索キーワードを元にユーザーをセグメントして、
閲覧しているページを調べたり、コンバージョンにつながるキーワードを調べたりするなど、
より詳細な分析が可能である。

この機能を活かせば、
検索ワードごとに閲覧ページを分析し、
合わせて滞在時間や離脱率を見て、より詳細にユーザーの興味関心を計測できる。

セグメント時のPV

また、コンバージョン率なども測れるので、
キーワードをグルーピングすると、どの検索ワードがコンバージョンにつながっているかも分かる。

コンバージョンにつながるキーワード

詳しくは、超実践!今日から使えるセグメント7つの手法 参照

これらのようにキーワードごとに詳細にセグメントができるのは、
オーガニック検索キーワードのみである。

検索クエリ

※Search Console(旧:ウェブマスターツール)との連結が必要。
集客>検索エンジン最適化>検索クエリ
検索クエリ

クエリリスト: 検索結果でサイトの URL が表示された、特定のユーザーのクエリ。Search Console では、サイトが検索結果として少なくとも 1 回返されたクエリの上位 2,000 件についてデータが表示されます。
https://support.google.com/webmasters/answer/35252?hl=ja

簡単に説明すると、検索クエリとは、
検索結果にウェブサイトが表示されたキーワードとクリックされたキーワードの2つを含んでいる。

この機能のすごいところは、
検索結果に表示された回数、クリック数、平均順位、CTR(クリック率)まで教えてくれるという点だ。

これを使えば、CTR(クリック率)が高いのは、それだけ意欲の高いユーザーが集まりやすいと推測できるので、SEOで上位表示を狙うべきキーワードだと分かる。
また、比較的上位にあるのに、CTR(クリック率)が低いのは、それ以上の上位表示をねらっても集客には向かないキーワードであると区分できる。

ここを検討するとで、リスティング広告でも参考にすべきキーワードが分かる。

ただ、惜しいのは、検索クエリとランディングページの紐付けができない点である。
オーガニック検索キーワードの場合は、
検索ワードAで来訪したユーザーは、ランディングページXに着地する数が○○件、
と把握できるが、検索クエリはそれができない。

ランディングページという項目では、
ランディングページごとの表示回数、クリック数、平均掲載順位、CTR(クリック率)まで
しか分からない。

Search Console(旧:ウェブマスターツール)との連結方法に関しては、
別途説明する。

検索ワードを分類

検索ワードをセグメント、このキーワードを何度も使用しているが、
実際にどのようにセグメント(分類)すればよいのか説明しよう。

指名系

『社名』『ブランド名』『社長名』など、
明らかに御社での購入を目的としたキーワード。

これらのキーワードは通常、他を圧倒するほどのコンバージョン率(購入率)が良い。
考えてみれば当たり前だ。

『社名』『ブランド名』『社長名』で検索してくるとユーザーとは、
すなわち御社を熟知しているということだ。

熟知しているというのは、大抵の場合リピーターだ。

であれば、すでにサービスや商品も体験しているため、
来訪する際は購入目的である割合が高くなる。

だから、この指名系キーワードのユーザーが多いにも関わらず、
コンバージョン率が悪いとなれば、それは、ウェブ以外の別の問題である。

ただ、よっぽどブランディングをしっかりしていないと、
そもそもとして表示回数は多くならないだろう、
そのため、CTR(クリック率)が高くとも、
総数としてクリック数は少なくなる傾向にある。

1つの目標として、指名系キーワードでのクリック数の増加を
挙げられるだろう。

購入系

商品名やサービス名+アルファのキーワードに意図が明確に現れていたり、
もしくは、商品名そのものに、すでに意図が入っている場合だ。

例えば、お中元+A5牛 の検索ワードで来訪するユーザーはどうか。
あきらかにお中元にA5牛のお肉を買おうとする意欲が見て取れる。

また、モニター+DELL の検索ワードで来訪するユーザーはどうか。
確率としてはDELLのモニターを買おうとしているだろう。

このような検索ワードでの来訪の場合、
ほしい意欲が見て取れるなら、ランディングページを確認し、
更に購買意欲を高められるページ作りになっているかの分析が重要だ。

あとは、CTR(クリック率)に影響を与える大きな要因が、
meta descriptionだ。

ここでしっかりとユーザーの心をキャッチできているなら、
CTR(クリック率)は上がり、クリック数も伸びる。

ただ、適当に書いているだけだと全くクリックされないだろう。

情報系

商品やサービスの購入よりも、『知りたい』という情報を求めている場合がこれに当たる。

例えば、A5牛 とは の検索ワードで来訪するユーザーはどうか。
A5牛とは何なのかを知りたがっていると推測できる。

また、モニター+DELL+スペック の検索ワードで来訪するユーザーはどうか。
まだどこのモニターを購入するか検討している段階で、
DELLのモニターのスペックを気にかけていると推測できる。

さらに、○○+作り方 の検索ワードで来訪するユーザーはどうか。
商品を買う意欲よりも、自分で作りたい、という希望が見て取れる。

このような情報を求めているユーザーに対して何かを販売しようというのは
ナンセンスである。

そして、とても重要なことを知っていなければならない。

それは、ウェブを使うユーザーの大部分は、
『情報を求めている』という当たり前の心理である。

PCの利用目的では、情報収集に次いで56%の人が「商品やサービスを購入するため」にPCを利用しており、スマートフォンを「商品やサービスの購入のため」に使う人の割合(24%)を大きく超えていました。実際に商品を購入する段階になると未だPCを利用する人が多いことが分かりました

参考:http://www.nielsen.com/jp/ja/insights/newswire-j/press-release-chart/nielsen-news-release-20150324.html

こういった状況を前提として検索ワードを含めたウェブマーケティングは検討し、対策をねらなければならない。

まとめ

検索ワードの調査目的は何か?

検索ワードを知るために、
検索ワードを分析するのに全く意味は無い。

検索ワードを調査、分析するの目的は、
ユーザーの意図、興味を知るためだ。

だから、検索ワードをただ並べただけのレポートや、
グラフをくっつけてビジュアルを整えてているレポートなどに価値は無い。

また、オーガニック検索キーワードだけでユーザーを分析してはいけない。
検索クエリも含めた潜在顧客を調べなければ的を外すかもしれない。

マーケティングの全ての原点は、市場を知ることにある。

市場とはすなわちお客様である。

お客様の心情は、オーガニック検索キーワードや
検索クエリに如実に表れる。

そして、ウェブではお客様をユーザーと呼ぶが、
何のことはない。

結局、ウェブだろうが、リアルの商売であろうが、
取るべき行動は同じなのである。

お客様を知る。

全てはこの1点になる。

ただ、それが、ウェブになると途端にカタカナ語やアルファベットが増えてくる。

それで難しそうな感じがするだけだ。
取るべき行動は同じ。

だから、ウェブ以外の仕事を行っておられる一般の事業会社、
一般の個人ユーザーは、ここで特に知っておいてほしい。

ウェブの専門家を名乗る者が、
皆さんに対してウェブマーケティング営業提案をした時、
解析のレポートを提案してきた時、
また、サービスを提供した時、
よく分からないが、まぁいいか。
となってはいけない。

また、ウェブはよく分からないからといって、
ホームページ制作も広告も分析もみんな丸投げなどありえないのである。

何も分からなければ、最低限の知識は持つよう勉強しないといけない。
ウェブの人間の言っている内容が分からなければ、しつこく質問しないといけない。
レポートの内容がどう役立てるのか分からなければ、問いたださなければならない。

『まぁいいか』

と思って素人がサジを投げるのは・・・

カモがネギ背負ってやってくる。

鴨

のと同じである。

相手はきっと、心のなかでガッツポーズしている。

あなたの会社はあなたが一番よく知っている。
すなわち、
あなたの会社のお客様はあなたが一番よく知っている。

ウェブはそこにアピールするための1つの手段にすぎないということを
頭に叩き込んでおこう。

Googleアナリティクスをゼロから学びたい方はこちら↓
Googleアナリティクスの使い方 [実戦マニュアル]